B009f エンジン6
レポート提供 Neko氏@神奈川

事前準備 液体ガスケット、シリコングリス、オイルパンを置く為のパレット、パレットの上に置くダンボール紙、新聞紙少々、ウエス、ロックタイト、パーツクリーナー、ガムテ、パーツ洗浄剤、パーツ洗浄用ブラシ(各種)、光明丹、モリブデンスプレー、タコ棒、エンジンオイル(少々)
参考 整備要領書追補版T B-
事前注意事項 ヘッドに取り付けるパーツは数が多いので、作業台の上に予めきちんと並べておく事。


サーモスタットと、サーモスタットハウジングを取り付ける前に、ブロック側の取り付け面をしっかり脱脂します。
サーモスタットの取り付けです。ブロック側には入るようにしか入りませんが、向きに注意が必要です。整備要領書には、"TOP"マーク(ジグルバルブ)を上側に向けて取り付けること。と記載されています。(写真の向きでOKです。)
サーモスタットハウジングです。パーツクリーナー等で中をキレイにした後、取り付け面を脱脂し、液体ガスケットを『ウニュ〜』っと塗布します。
液体ガスケットを塗った後、ブロック側へハウジングを取り付けます。(写真の向きで取り付けます。)近くにボルト3本を準備しておき、ハウジングを取り付けた後に素早くボルトを手で締まるとこまで締め込んだ後、一箇所を集中的に締めるのではなく、少しずつハウジング全体を密着させるつもりで締めこんでいき、最後に規定のトルクで締めます。
規定のトルクで締め込んだ後、埃等が入らないようにガムテ等で『フタ』をしておきます。
タイミングベルトプレートを装着します。プレートには『前後の向き』がありますので、取り付けるときに注意が必要です。向きに注意しながら奥まで入れたら。。。
プレートを半回転させて、センターにある『切り欠き部分』を下に向けておきます。
クランクタイミングプーリーの取り付けです。プーリーを取り付ける前に、クランクに装着する半月状の『キー』をクランクに掘ってある溝部分にある程度の深さまで打ち込んでおく必要があります。そうしないとプーリーがキーに引っ掛かって奥まで入りません。キーを均等に打ち込んだ後、クランクに薄〜くシリコングリスを塗ってプーリーを取り付けました。個体差があるとは思いますが、手でプーリーを押し込んでも途中までしか入りませんでしたので、大き目のソケットを使用してプラハンで少しずつ均等に入れました。
こちらはクランクプーリーの回転を支える為のキーです。こちらも忘れないようにある程度の深さまで均等に打ち込んでおきます。
ここで、気分を変えるために(笑)オイルパンの加工に取り掛かります。加工と言っても『穴を開けるだけ』なんですけどね^^;
純正のオイルパンバッフルプレートを取り外します。
バッフルプレートを取り付けている7本のボルトです。ここも長さが色々ですね。。。
オイルパンの『底』です。平らになってるのかと思いきや。。。リブが入ってるんですね^^;ドレンボルトの位置も底よりやや高い位置にあります。って事は。。オイル交換時に上から抜いても下から抜いても全て抜ききることは出来ないんですね^^;。と言う事を今回はじめて知りました(爆)
フロントアクスルの右側サイドフランジを取り外します。まず写真中央のナット(全部で3箇所)を取り外します。
ナットを取り外した後、フランジを外します。外すというより、中に入っているシャフトを『引き抜く』という感じです。フランジ自体は固着していて手で外そうとしてもなかなか外れませんので、プラハンとマイナスドライバーを使用して少々こじりながら外しました。写真のようにほんの少しだけ外れたら、フランジを両手で支えながら『そぉ〜』っとシャフトを引き抜きます。(チューブの内側をシャフトでキズ付けないように注意しながら引き抜きました。)
サイドフランジを引き抜いた後、オイルシールを抜き取ります。マイナスドライバーでこじって抜こうとしましたが。。。ビクともしません。。。無理にこじって抜こうとするとシールの周りをキズ付けそうな勢いになってきましたので。。。
オイルシールを破壊(爆)
ここでようやく、センターチューブを引き抜くことができます。が、センターチューブの両端には細いOリングがありますので、『スルッ』っとは抜けてくれません。センターチューブがOリングを通過するまで『うにゅ〜』っとOリングの抵抗がありますので、デフケース側から手前の方へゆっくり、慎重に、キズ付けないように引き抜きます。
センターチューブの両端にあるOリングを抜き取ります。精密ドライバーを使用し、Oリングの周りをキズ付けないように注意しながら抜き取りました。
センターチューブを取り外すと。。。現れました。今回拡大加工を行う『穴』です。この穴はオイルパン後部から前部にオイルが戻るために設けられている穴です。中をよ〜く観察してみますと、最初は5mmくらいの穴で掘られていて、途中からいきなり2mm程度の穴に変わっています。テーパー状にだんだん細〜い穴になっていってるんだろうなぁ〜と想像していましたので。。。ちょっとショックでした(笑)この穴を反対側から見てみますと。。。って『どこに穴があるの?^^;』と、わからないくらいの小さな穴になっています^^;こ、これは拡大してあげないとぉぉぉおおお(笑)
さぁ、いよいよ穴の拡大です。最初の径(5mm程度)でそのまま貫通させるべく、5mmの歯をドリルに装着しました。相手はアルミです。この勝負、楽勝だな。。。と思いつつも。。。油断してはいけません。意を決して慎重にドリルを握り締め『キュィィイイイイイン!』と。。。ドリルを全開にする事30秒。。。あれ?なかなか掘れない。。。いや、全然掘れましぇん^^;
さくさく氏曰く、もしかするとドリルの歯が古いかも(爆)。。。という事で、作業を中断し、近くのホームセンターへドリルの歯を買いに行く事に。外出する時は電気を忘れずに消しておきましょう(笑)
最初に作業をした時に、ドリルの歯の長さが短く、5箇所ある穴の両サイドをうまく掘れないかも。。。という事で短い歯と長めの歯を両方購入しました。戻ってきて穴を掘り出すと。。。さっきまでの苦労が嘘のように『さくさく気持ちよく掘れるじゃないですかっ(爆)』穴を掘るのがちょっとだけ楽しくなりました。が、5箇所全部掘り終えた頃には。。。新品だったドリルの歯の役目も終わってしまいました。。。orz
拡大する5箇所の穴の内、中央の3箇所の穴は短いドリルの歯でもなんとか貫通させる事ができますが、左右の端の穴(2箇所)は長いドリルの歯じゃないとドリル本体がオイルパンに当たってしまいますので貫通させる事ができません^^;長い歯を使用するときの注意事項は、ドリルを全開で回しますと歯がブレたりしますので、神経を集中してゆっくり掘る事です。どんどん掘っていき、ドリルがあと1mm程度で貫通しそうになったら。。。若干ドリルを押し通すような感じで掘れば、歯が引っ掛からずに貫通できます。という事に5個目の穴を貫通させる際に気付きました(爆)無事に貫通出来たら、ドリルを全開で回しながら掘った穴を数回往復させ、穴の中をキレイにしておきます。貫通した方の出口のバリもキレイに取っておきましょう。
某オークションで手に入れた中古のオイルパンですので(爆)全てのオイルシールを新品に交換すべく、厄介なピニオンロックナットの取り外しにかかります。何故『厄介』と思っていたのかと言いますと、さくさく氏のO/H日記を読んでいたからでしょう(謎)ただ、さくさく氏の対策により、その苦労を味わう事無く3分でナットが外れました(爆)その対策とは。。。L字の鉄の端材に2箇所の穴を開け、尚且つソケットを回避出来るようにR状に少々カットされた『このナットを外す為にしか使用しないであろう(爆)鉄の端材』が作成されていた。という事です。フランジ2箇所をボルト2本で端材に固定し、端材を足で踏みつつ、後は写真の1mを越すトルクレンチで(爆)緩めるのみ。う〜ん。。。なんて楽なんだぁぁぁあああ(笑)PS:このSSTの設計:さくさく氏、製造:なるかわ氏という事を付け加えさせて頂きますm(_ _)m(こんなん一人じゃ回せましぇん^^;)
ナットが外れたら、ベアリングプーラーを使用して圧入されているフランジを引き抜きます。写真では見難いかもしれませんが、ベアリングプーラーの爪(3箇所)でフランジの周りを引っ掛けてまして、プーラー中央部分の全ネジが切ってある部分を回し込んでいく事によって3本の爪がフランジを引き抜いてくれる仕組みになっています。大きな工具ですが、使い方は至ってシンプルです。が、このような工具が無いと簡単には抜けません^^;
フランジが無事に抜けたら、先ほど取り外したピニオンロックナットをもう一度同じ場所に取り付け、ショックレスハンマーを使用してピニオンギヤ自体を反対側(デフ側)に打ち抜きます。デフ側から手を突っ込んでピニオンギアを手で支えつつ、反対側からハンマーで打ち抜くんですが、そこまで力を入れなくてもピニオンギアは抜けますので、ピニオンギアの歯をキズ付けないように注意ながら引き抜きます。って。。。ん?あれ?だぁぁぁあああっ!重要な事を思い出しましたーっ^^;この時点でフロントデフが外れている『はず』なんですが、デフを取り外す際に写真を撮り忘れていましたっ(爆)すいませんっm(__)m。それでは、気を取り直してレポートを進めます^^;ピニオンギヤが抜けたら、オイルシールを取り外します。ここのオイルシールも簡単には抜けてくれません。前回のオイルシールを破壊したときにオイルシールの構造と破壊方法をなんとなく習得しましたので(爆)ここのオイルシールも。。。破壊。オイルシールの周りをキズ付けないように注意しながら破壊しました。オイルシールを取り外すと、その奥にベアリングが入っていますので、ベアリングを落とさないように取り外します。
ようやくピニオンギアとオイルシールが外れてくれました。オイルシールはゴミ箱行きですが、ピニオンギヤ等はビニール袋などに入れてしばし保管です。

<フロントデフの取り外し(デフオイルが入っていないという前提です)>
@デフケースカバーに付いているフィラープラグとドレンボルトを、1/2ソケットハンドルを使用して外す。
Aデフケースカバーを取り付けている10本のボルトを外す。
Bプラハンやマイナスドライバーを使用して、ケースを軽く叩いたり、カバーとケースの合わせ面を軽くこじったりしながらカバーを『むしり取ります。』
Cデフケース側のフランジを取り付けている8本のボルトを外す。
Dカバー同様、プラハンやマイナスドライバーを使用してフランジを取り外す。
この時、フランジを取り外すとデフが落下しますので、デフを手で支えながらフランジを取り外します。デフは重いので自分の手を潰さないように注意しましょう。
Eフランジが外れたら、デフ本体をケースから引き抜きます。狭いデフケース内のスペースにデフが収まっていますので、一瞬どうやったら抜けるのかな?と考えましたが(笑)形状的に抜き取りやすい『向き』があります。手で持っていると、『この向きじゃなきゃ抜けないな^^;』という角度をすぐに見つけられるはずです。後は慎重に落とさないようにデフ本体を抜き取り、しばしビニール袋へ保管です。

フロントデフケースのカバー裏側にボルト4本で取り付けられている『ガス通路のフタ』を取り外します。
フロントデフのサイドフランジに付いているオイルシールを打ち抜き、サイドフランジの裏に入っているOリングを取り外します。
こちらのサイドフランジのオイルシールは、32mmのソケットを使用して簡単に打ち抜く事が出来ました。
これでオイルパンに付いているパーツの分解は完了です。まだ取り外せるパーツもありますが、オイルパン自体を加熱しないと外せないパーツですので(爆)今回はここまでです^^;さぁ、オイルパンの洗浄です。穴あけ加工で出たアルミの切削粉や、スラッジ等を隅々までキレイに洗い流しましょう。あと古い液体ガスケットもスくレッパーで取り除いておきます。スクレッパーだけでは隅々までガスケットの跡を取り除く事ができませんので、最後は真鍮ブラシで隅々まで『ゴシゴシと^^;』
オイルパンの外側も真鍮ブラシなどでゴシゴシ磨いて汚れを落としたいところですが、こういう汚れはなかなか落ちにくいですね^^;
オイルパンの洗浄が終わったら、デフ、サイドフランジ、デフケースカバー等と一緒にしばし保管です。
ヘッド再び(爆)今回は。。。いよいよ。。。バルブのスリ合わせです。生まれて初めて『タコ棒』を手にする日がやって参りました。では、早速作業開始です。
ヘッド自体、前回の作業終了後に埃が入らないように保管してはいましたが、念の為に燃焼室全体とガイドの中をパーツクリーナーでキレイにしておきます。
シートカットを施してあるヘッドとフェース研磨を行っているバルブ。スリ合わせを行う前に、光明丹を使用してシートの当たりを確認するさくさく氏に『地獄のチューナー』を感じるおいらなのでした(爆)
IN側のバルブを並べて、ステム部分にモリブデンを塗布します。注意すべき点は『ブシュー』っと大量に吹き付けるのではなく『シュッ』っと霧状に吹き付ける事です。シュッシュッと軽く霧状に拭きつけたら、バルブを180度回転させ、反対側にも軽く吹き付けます。
スリ合わせ前のバルブフェース面です。この表面に幅1mmの『スリ合わせサークル』が出来る。。。はず。。。とイメージします(笑)今回、バルブのスリ合わせを行うにあたって、前日の夜中までさくさく氏と( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )会議を行いました。スリ合わせとは?から始まり、スリ合わせを行う意味、どのようにスリ合わせを行うのか等、疑問に思った事はさくさく氏に聞きつつ。。。時には絵を描き(爆)二人で話しても判らない事に関しては整備要領書や専門の本を引っ張り出し、それでも解決しない問題に関しては最終手段な神の声をお借りしつつ(爆)総合的に話し合った結果に基づいて作業を行いました。ここで言う神とは、RB26を100基以上ご自分の手で組んでいる方の事を指します(爆)ただ、その方の言葉を100%鵜呑みにするのではなく、32保存会的な考えももちろん入ってます♪神の言葉でも現時点では次元が高すぎて当てはまらない事もありますので^^;素人なりに出来る範囲でやりませう(笑)
生まれて初めて扱うバルブコンパウンド。。。今回はアストロなどで販売されている中の一番細目を使用しています。手で触った感触としましては。。。率直に申しますと『ザラザラです』あんこの中に粒子の小さい砂が入っているような感触です。
バルブコンパウンドを人差し指に少しだけ付け、バルブフェース全体にほんの少しだけ塗り塗りします。ほんの少しです。
バルブをガイドに差し込む前に、もう一度ガイドの中をパーツクリーナーで洗浄です。念には念をです。
次に、オイル差しを使用してガイドの中にオイルを垂らします。ガイドの中にバルブをスムーズに入れる為です。ステムには予めモリブデンが塗布されていますので、大量に垂らす必要はありません。ドピュッ、ドピュッっと2回ほどでOKかと^^;
次にバルブに『タコ棒』を装着し、バルブを落とさないように手でフォローしながら、そっとガイドに差し込みます。バルブのフェース面がシートに当たると、タコ棒を通して『ジョリッ』っと手に感触が伝わってきます。
バルブをガイドに装着後、スリ合わせ作業に入ります。今回、色々な意見を元に導き出された作業方法は『バルブは叩かず、スリ合わせも気持ち程度に終わらせる(爆)』という方法でした。何故かと言いますと、既にシートカットとバルブフェース研磨が施されていて、当たり面は共に45度、バルブフェース面とシートが当たる幅は1mmに設定されています。せっかくきっちり当たり面幅を出してある部分に、初めてスリ合わせを行うズブの素人が入る領域があるのか(爆)と。下手に力任せにスリ合わせを行って当たり面幅を広げてしまったり、フェース面に無駄にキズを付けるような事になっては本末転倒です。が、同じ金属ならまだしも、バルブとシートは材質的に違いがあります。材質が違うという事は、シートカットする際、若しくはフェース研磨を行った際、どちらも削られている事は事実ですので。。。素人が敢えて行うとすれば、違う材質が削られた面同士の『当たり』を付ける為の『スリ合わせ作業』にしてはいかがなものかと?という結論になりまして(爆)気持ち程度にショリショリとスリ合わせを行う事にしました。(だんだんμ単位、いやnm単位な話になって参りました^^;)実際には何もしなくても純正新品以上の精度はあったりしますが、ここで敢えて1手加えるのが。。。32保存会かと^^;
軽くスリ合わせを行い、バルブに付いたコンパウンドをキレイなウエスで拭き取った後、シートとの当たり面(幅1mm)がキレイに出ているのか、1本1本確かめていきます。ちょっとだけ今までの作業を振り返りますと。。。ガイドの中をパーツクリーナーでキレイにし、ガイドにオイルを差し、バルブにバルブコンパウンドを少量塗り、タコ棒をバルブに付け、バルブをガイドに挿入し、軽くスリ合わせを行い、バルブをガイドから抜き取ってコンパウンドを拭き取り、ステムに付いたオイルをキレイに拭き取った後に当たり面を確認。。。この一連の作業が24回。。。orz
地味で退屈な作業ですが、何も考えずに黙々と作業を行いました。いつもはなんらかの会話をしながらいろんな作業を行うんですが、この時ばかりは無言でした^^;
そして時は流れ(笑)24本、全てのバルブのスリ合わせが無事に終わりました。どっと疲れますが、まだ作業は終わっていません。気を緩めずに次の作業に取り掛かります。あ、バルブはキレイなウエスでコンパウンドやオイルを拭き取った後、もう一度、1本1本パーツクリーナーで洗浄し、キレイなウエスで拭いて保管しておきます。ここでウエスをケチってはいけません。少しでも汚れた手はすぐにキレイなウエスで拭き取り、使用したウエスはキレイに見えても『ポイ』です。あ〜、もったいない(爆)
バルブのスリ合わせ終了後、ヘッドを洗浄します。シートに付着したコンパウンドは1本1本作業を行う度にキレイに拭き取ってはいるものの、油断はできません。ジャブジャブと洗浄液に付けて洗いましょう。
ある程度洗浄した後、洗浄液を洗い流す為に水で『ブシューッ』っと、ヘッドにあいている全ての穴を念入りに洗い流します。
水洗い終了後、ヘッドを色んな角度で抱えて何度も水切りし(爆)キレイなウエスで見える部分の水分を拭き取った後、コンプレッサーを起動して『見えない部分の水分』をエアーで吹き飛ばしました。

この後、ヘッドをしばし乾燥させなきゃね!という理由を作って『しぞ〜かおでん』を食べに行ったのはここだけの話です(笑)

さて、次はバルブガイドにオイルシールを装着。。。です。
新品のオイルシールです。こうして並べると大きさの違いがよくわかります。多きい方がEX側、小さい方がIN側です。ごちゃごちゃに置いてあると間違う可能性がありますので、キチンと作業台の上に並べておきましょう。
ガイドにオイルシールを取り付ける前に、オイルシール内部にオイルを塗っておきます。プラスドライバーの先端にオイルを含ませ、オイルシールの内部に塗り塗りします。オイルを塗り終わったら、オイルシールの外径に合うソケットと短いエクステンションを準備し、ソケットの内側にもオイルシールの時と同じように、オイルを塗ります(ソケット内にオイルシールを入れた際に落ちないようにする為です)ソケット内にオイルを塗り終わったら、ガイドの先端(オイルシールを装着する部分ですね)にもオイル差しでオイルを塗布しておきます。次に、オイルシールをソケット内に入れ、落とさないようにガイドに『そぉ〜っと』装着し、ソケットに付いているエクステンションを手の平で『グイッ!』と押し込みます。この段階で2/3くらいの深さまでガイド側にオイルシールが入るはずです。中には一発で『スススッ』っと最後まで入るものもありました^^;(個体差がありますね^^;)ま、気にせず(爆)IN側とEX側を間違えないように、24個のオイルシールをガイドに押し込んでいきます。ある程度まで押し込んだら、最後は手の平で押していたエクステンションを、プラハンで『コンコンコンッ!』と軽く叩いていきます。(叩いているうちに『奥まで入りましたよ〜』という感触がある程度ですが手に伝わってきます)調子に乗ってガンガン叩いてしまうと、オイルシールの先端にある小さいスプリングを潰しかねませんので、あくまでも軽〜く『コンコンコンッ』と叩くことが重要です。最後に、オイルシールの中央部分の穴からガイドの先端が同じ位置に見えているか(最後まできちんと入っているか)を確認し、更にオイルシールの高さがIN側、EX側で、ある程度均一になっているかを確認しました。高さを確認するにはいろんな方法があるとは思いますが、今回はパーツクリーナーに装着されている細い『ノズル』を2本使用し、1本はヘッドにガイドが刺さっている一番下の部分にくっつくように置き、もう1本をオイルシールの『肩』の部分に置いて、2本のノズルをくっつけた状態でノズルの長さの『差』を確認し、2本のノズルの位置関係が他のオイルシールと同じくらいになっているのか?を確認しました。とても原始的な確認方法ですが(爆)、目視ではわかりませんので、こうやって確認する事で安心感は出ます(笑)整備要領書にはヘッド側からのオイルシールの高さが記載されていますが、今回はガイドをリン青銅に打ち換えていますし、シートカットも施されていますので、整備要領書の数値があてはまりません。ですので、原始的な測定方法で独自に測定です。
ガイドにオイルシールを全て装着後、ヘッドをひっくり返してバルブを差し込んでいきます。スリ合わせをした時と同じように、バルブにモリブデンを塗布し、挿入するガイドにオイルを塗布しておきます。オイルは、めんどくさくても挿入する際に塗布するようにしましょう。バルブを握る手をキレイにしておく事も重要です。何度も何度もバルブを持つ手が汚れてないか確認しながら1本1本バルブ挿入していきました。
バルブをガイドに少し挿入した後、手を離しますと、ある程度のとこまで『ス〜ッ』とバルブが落下していきます。
ある程度のとこまでバルブが挿入できたら、最後に先ほど打ち込んだオイルシールを通過させます。オイルシールを通過する際、『コクッ』っと手に感触が伝わってきます。この時、特に大きな力は必要ありません。
EX側のバルブをIN側と同じ工程でガイドに挿入です。ここで重要な事は、バルブの装着順番を間違えないようにする事です。写真でも判るように、バルブには予め番号を記載しておき、バルブを全て装着後、『合っていると判っていても』もう一度、番号を確認しておきます。1〜12まで全て。念には念をです。
全バルブ、装着完了です。
バルブを装着後、バルブスプリング等を装着しなければいけませんので、ヘッドを引っくり返す必要があります。ヘッドをひっくり返した際にバルブや面研した面がキズ付かないように、バルブの上にウエスを何回かたたんだものを置き、ガムテで面全体を保護した後、ヘッドを引っくり返しました。
先ほど取り付けたオイルシールをバルブが通り抜けてきている部分の写真です。カム側から覗き込んだ感じですね。この部分の一番下の丸い部分にバルブスプリングシートを装着します。
スプリングシートを装着する際、ドライバー等を使用し、丸いスプリングシートを滑り込ませるように装着していくんですが、今回はパーツクリーナーの『ノズル』を使用し、予めノズルにスプリングシートを通して一番下まで滑り込ませました。そのままスプリングシートを何も使わずに放り込んでもよさげに思いますが、スプリングシートには表裏があるので、こういう方法で表裏が反転しないように、又、バルブに引っ掛かって変な位置に落っこちないようにノズルを使用して『スルスルスルーッ』っと一番下まで落とします。スプリングシートの表裏は手で触っただけでわかります。『光沢があってツルツルしている方が上(笑)』です。表裏を間違えないように、きちんと作業台の上に並べておきましょう。
バルブスプリングシートが収まると、このような感じになります。
次に、バルブスプリング用の『シム』を先ほどと同じ要領で入れます。このシムですが、通常のO/Hでは使用しません。このシムを使用する意味は、簡単に言いますと『バルブスプリングの『プリロード』を純正と同じ領域に落ち着かせる為に入れる。』です。ヘッドの断面をイメージしますと。。。シートカットされたシートは純正のシートの位置より若干奥に入る形になります。シートが奥に入るという事は、バルブの位置がカム側に若干上がるという事に。。。バルブが上がると言う事は、ある程度の力で縮んでいるバルブスプリングが若干ですが『伸びる』方向に。。。バルブスプリングの下はスプリングシートで固定されていて、上側はリテーナーで固定されています。シートカットによってバルブがカム側へ若干上がると言う事は、リテーナーの位置も上がるという事になりますよね。そうなると、若干ですが、バルブスプリング自体が伸びる方向になりますので、その伸びた分を元の位置に戻すべく、このシムを入れます。厚さは0.2mmです。
こちらはスプリングシートと違い、『ヒラヒラヒラ〜』という感じでノズルを通して下に落っこちていきます。
無事に下におっこち。。。あ、引っ掛かってしまいました(爆)こういう時はノズルで『チョイチョイ』とシムを動かしてスプリングシートの上に落ち着かせます。ノズル。。。大活躍です(笑)
バルブスプリングシートとシムを装着後、バルブスプリングを装着します。こちらはそのまま手にとって入れていくだけなんですが、注意点としては、バルブスプリングの『上下』を間違えないように装着する事です。純正のバルブスプリングには、上下が判るようにスプリングの側面に白いペイントが施されています。ペイントが付いている方が下です。あと、スプリングの形をよ〜く観察しますと、巻き数のピッチに違いがあることが判るはずです。クルクル巻いている線と線の間が、最後のほうで狭くなっている方が『下』です。ペイントなどは洗浄する際に落ちますし、目視でスプリングの上下はわかりますが、スプリングを装着後に確認する『術』がありません。一つ一つ間違えないように確認しながらスプリングを入れていくのはいいんですが、全て入れた後、最後の最後に確認して安心したいですよね?(笑)その為に、写真のようにスプリングの上部分にマーキングをしておきます。もちろん上下を確実に確認した後にマーキングです。(この方法はさくさく氏の案だったります)
スプリングを全て装着した後、しつこいようですが、上下が合っているか再確認します。写真のようにマーキングがあると安心です♪
バルブスプリングの上下の向きが合っているか確認終了後、リテーナーとコッターを装着です。リテーナーとコッターは、各バルブに対し、一つ一つ確認しながら装着しました。リテーナーに関しましては、万が一上下の向きを間違えてもコッターが入りませんので(爆)すぐ判るはずです。
リテーナー装着後、バルブスプリングコンプレッサーを使用し、コッターを入れる為にスプリングを縮めます。
バルブやヘッドの面をキズ付けないように、スプリングコンプレッサー側にガムテを貼っておきましょう。
バルブスプリングコンプレッサーは、燃焼室側のバルブとカム側のリテーナーを固定して、コンプレッサーのレバーを『グイッ!』っと押し込むと、バルブスプリングがある程度のとこまで縮まってくれるという大変有難い工具です。この『ある程度』とは、コッターをバルブに装着(リテーナー中央に入れる)する為に必要なスペース。と思ってください。その微妙なスペースを確保すべく、予め、コンプレッサー側の長さを微調整しておきます。
スプリングが縮まったら、いよいよコッターを入れていきます。小さいパーツですので、落とさないように注意しながら入れていきます。プロの方ですと、細いドライバー等にペーストを付け、コッターにも少量のペースト付けて『ペトッ』っとバルブにコッターを収めたりしますが、そういうテクニックは後に置いといて(笑)まずはどんな感じでバルブに収まるのかを確認すべく、どうやったら入れやすいのか?とかどんな風に入るのか?を確認しながら一つ一つ入れていきました。ここでもコッターをリテーナーへ落とし込んだ後、位置を調整するのに『ノズル』が活躍しました(笑)
リテーナーの中央部分の穴はテーパーがついていて、コッターにもテーパーが付いています。バルブの先端付近にはコッターが収まる為の溝があり、コッターの内側中央部分にはその溝に収まるように凸になっている部分があります。この凸になっている部分をバルブの溝部分に納める為に『四苦八苦』します(笑)コッターはリテーナーの中央でコロコロ転がって言う事をきいてくれません(笑)運よく『スコッ!』とバルブに収まったりもしますが、コツとしては、やはり細いドライバーの先にペースト等を付けてコッターにもペースト付けてバルブにセットした方がよかったかもぉぉぉおおおおお!と心の中で叫びつつ、四苦八苦しながらコッターをバルブに装着しました。ヘッドの角度にもよりますが、コッターを下側に滑り込ませ、後で上側を入れたほうが簡単。。。だった。。。ような。。。
二つのコッターがバルブにちゃんと収まっているか確認できたら、コッターを眺めつつ、バルブスプリングコンプレッサーのレバーを静かに戻してリテーナーを元の位置に戻します。リテーナーが戻ってくる途中、リテーナーの中央のテーパー部分がコッターのテーパー部分を支えて(押して)コッターを確実に固定するようになってます。うまく出来てますね〜^^;
一つ一つ上記の作業をこなしていき、全てのコッターを入れ終わったら、念のためにもう一度、コッターとリテーナーとバルブの位置を全て確認します。
上記の位置が確認できたら、最後に、バルブとリテーナーとコッターの位置を『落ち着かせるべく』リテーナーの外径に合うソケットと短いエクステンションを使用して、プラハンで軽〜くリテーナーを叩きます。叩くと判ると思いますが、プラハンを持っている手に『ビヨン、ビヨン』とバルブスプリングが反発する感触が伝わってきます。間違ってもバルブの先端を叩かないようにしましょう。
上記の作業終了後、念のためにカム側に異物が入っていないか確認し、ガムテで『フタ』をしておきます。
ヘッドを慎重に引っくり返して。。。
燃焼室側も異物が入ってないかを確認した後、ガムテでフタをしておきましょう。
IN側のポートも一つ一つ異物等が入っていないか確認し、ガムテでフタをします。
EX側のポートもIN側と同様に確認した後、ガムテでフタをしておきます。最後に、プラグを装着する穴にもガムテでフタをしておきましょう。
一番最初に外したヘッドの前後のプラグ穴に新しいプラグを打ち込みます。
なかなか見れませんので(笑)、内部を観察しますと。。。まるで洞窟のようです。
新しいプラグを準備し、パーツクリーナーで全体をキレイにした後、しっかり脱脂しておきます。
ヘッド側のプラグを圧入する部分もしっかり脱脂しておきましょう。
ヘッド側へ液体ガスケットを少量塗ります。
プラグに合うソケットを使用し、プラハンで打ち込んでいきます。少しずつ、慎重に、全体的に同じ深さで入っていくように(斜めに入っていかないように)丁寧に打ち込んでいきます。
プラグをどこまで打ち込むのか?については、予めデジカメで取り外す前の状態を撮っておき、写真で検証しながらなるべく同じ位置になるように打ち込みます。前後とも同じ要領でしっかり打ち込んだ後、プラグの外周部分にはみ出した少量の液体ガスケットをキレイに拭き取って。。。今回の作業は終了しました。
使った工具 メガネレンチ各種、Tレンチ(ブラスバーの代わりに使用)、トルクレンチ、ソケット各種、プラハン、ショックレスハンマー、ソケットハンドル(1/2サイズ)、マイナスドライバー、精密ドライバー、ドリル(歯は5mmのロングタイプ)、ベアリングプーラー、バルブスプリングコンプレッサー
作業後の注意 ブロック、ヘッドに埃が入らないようにして保管する事
Copyright(C)2008 The 32Hozonkai All Rights Reserved.