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ベアリングキャップボルトの本締めです。規定のトルクで締める事と、締める順番を間違えないようにする事が重要です。トルクをかける際、エンジンスタンドがトルクに負けて動いてしまいますので^^;スタンドを足で動かないようにしつつ、ボルトに対して垂直に力がかかるようにトルクレンチを手で押さえながら、ジワァ〜っとトルクをかけつつ締めました。『カチンッ!』とトルクレンチの音が鳴るとなんだか安心しますね^^; |
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全てのキャップボルトを締めた後、いよいよ、クランクがスムーズに回転するかを確認します。クランクのリヤ側の丸い部分(フライホイールのボルトが入る場所ですね)を恐る恐る手で持ってゆっくり時計回りに回しました。。。すると。。。ま、回るぅぅぅぅううううううう!!!(って当たり前です(爆))ここで重要なのは、ゆ〜っくり回してみて、引っ掛かるような動きが無いかを確認する事です。ここで、『ククッ!』とか引っかかるような動きがありますと。。。『はいっ、やり直し〜』という事になります^^;クランクを手で回してみた感想は、自分が想像していたよりも軽くクルクル回るな〜と^^;どのくらいの抵抗で回ればいいのか初めての経験ですのでわかるはずもなく(爆)何度か経験しているさくさく氏に回してみてもらう事に。結果『うん、こんなもんでしょ。』と。。。その言葉を信じることにしました。 |
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ピストンの組み付けです。ピストンを挿入するシリンダー部分のクランクピンが『下死点』になるように予めクランクを回しておきます。上死点でもピストンをシリンダーへ挿入する事は可能ですが、ピストン挿入後、コンロッドを手でサポート出来ずにクランクやシリンダー内壁にキズを付ける可能性がある為、予め『下死点』にしておく必要があります。1番シリンダーを下死点にしておけば6番シリンダーもおのずと下死点になりますので、1番シリンダーからピストンを挿入です。 |
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キャップにコンロッドメタルを取り付けて、組み付けペーストを塗ります。ペーストで手がベトベトになりますので、近くにキレイなウエスを何枚か準備しておき、拭いては塗り、拭いては塗り。。。この作業の繰り返しになります。ここで重要な事は、コンロッドメタルの背面にペーストが流れ込まないように塗る事と、キャップとコンロッドの組み合わせ&取り付け方向に注意する事です。 |
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シリンダー内壁にも組み付けペーストをヌリヌリします。写真の深さまで塗っておけば問題ないでしょう。手先と体を左右に動かしながら、リズミカルに塗りました。最初に180度(半分の面積)を塗った後、ブロックの反対側に回って残りの半分を塗ったほうが効率的だったという事に、全てを塗り終えた後に気付きました。。。orz |
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ピストンの側面にもペーストを塗ります。リング付近を塗る際、トップ&セカンドリングを指で押さえるようにしながら塗ると、リングを嵌めたときに合わせた合口の位置を極端にズラす事無くペーストを塗ることが出来ました。と言っても塗ってるうちに微妙〜にズレたりしますので^^;、塗り終わった後に合口の位置をもう一度確認しておきます。ズレてる場合はリングの合口を爪で引っ掛けて回しました。オイルリングの上下に入っている細いリングがズレた場合は、爪でもなかなか回ってくれませんので^^;細い精密ドライバーなどを使用して位置を修正です。(ピストン側面にキズをつけないように注意が必要です)オイルリングの中や、ピストンリングの隙間にもペーストを入れておきます。慣れてらっしゃる方はピストン6個全部にペーストを『チャチャッ』っと塗って組み付けると思いますが、初めての場合はそれなりに時間がかかりますので^^;一つのピストンにペーストを塗り終えたら組み付けを行い、組みつけ終了後に次のピストンの側面にペーストを塗る。という作業を繰り返しました。ペーストを塗ったままピストンを長時間放置しますと埃等が付着する可能性が高くなりますしね^^; |
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ピストンの側面にペーストを塗り終わったら、ピストンリングコンプレッサーを使用してピストンリングを縮め、いよいよシリンダーへ挿入します。挿入する際、ピストンの前後方向が決まっていますので注意が必要です。純正ピストンにはピストントップ部に3mm程度の丸い凹みがあります。この丸い凹みをフロントマークと言います。マークが付いている方をフロント側に向けて挿しなければいけません。ピストンスカート部を少しだけ『スコッ!』っと挿入した後、コンプレッサー自体をブロック上面に対して隙間が出来ないように手で押さえつつ(コンプレッサーとブロック上面に隙間があると、せっかく縮めたリングが『パチンッ!』と開いて『やり直し〜』となりますので^^;)ハンマーの『柄』で『コンコンコンコンコンッ!』とピストンを挿入していきます。ピストンリング部分がシリンダーに入った事を確認後、ピストンリングコンプレッサーを外し、更に『コンコンコンコンコンッ!』とピストンを挿入していきます。コンロッドボルトがシリンダー内壁をひっかかないように気をつけながら挿入し、コンロッドボルトがクランクに到達する少し手前でコンロッド自体を手でサポートします。(クランクピンやシリンダー内壁にキズを付けない様にする為です。) |
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無事にピストン挿入完了です。ブロックの内壁に塗ったペーストがピストンリングによってキレイになくなってますね^^;ピストン挿入後、ブロック上面にペーストが付着しますので、キレイに拭きとっておきます。ピストンリングコンプレッサーの内側にもペーストが結構付着しますので、こちらもキレイに拭きとってはピストンを挿入し、また拭きとっては挿入。。。という作業を繰り返しました。 |
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ピストンを奥まで押し込んだ後、シリンダーをひっくり返してコンロッドにキャップを装着し、ナットを締めておきます。コンロッドのキャップにも向きがありますので、予めキャップにマーキングをしておきます。(シリンダーをひっくり返した際にキャップの向きを間違えないようにする為です。)と言いながら。。。マーキングしてあるにも関わらず、1個だけ向きを間違えてしまいました。。。orz |
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キャップを装着後、ナットを手で締まるとこまで締め、Tレンチで均等に締めた後、トルクレンチで締めました。こちらも徐々にナットを締めていくイメージです。トルクレンチで締めた後はナットにマーキングをしておきます。マーキングの意味は、最終的に角度締めにてナットを締め終わった際、『角度締めを行った分』マーキングがズレる事によって『確実に角度締めを行った』という事を確認する為のものです。トルクレンチでナットを締め付ける際、キャップの形状から、ソケットが最後まで確実に入りませんので(グラグラします^^;)トルクレンチ自体を手で抑えつつ、斜めに力が入らないように気をつけながらナットを締めました。 |
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角度締めです。規定のトルクでキャップのナットを締めこんだ後、60〜65度の角度で更に締めこみます。じわぁ〜っとトルクをかけつつ、メモリを見ながらレンチを回していくんですが、小さいスタッドとナットに対して大きいレンチ。。。正直、回している途中で『ポキッ!』っと折れそうな感じがします^^;が、無事に全てのナットの角度締め終了です。こちらもトルクレンチの時と同様、キャップの形状のせいでグラグラしますので、しっかり手で押さえながら回しました。全ての角度締めが終わった時点で、最終的な確認を行います。ピストンの向き、キャップの向き、角度締めを行ったナットの合いマークのズレ、オイルジェットとピストンが干渉しないか等、一つ一つ作業を行った際に確認した事をもう一度ここで確認しました。 |
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いよいよ、6個のピストンの回転運動を見れる瞬間がやって参りました。クランクにレンチをかけ、恐る恐る回します。。。クランクを1回転。。。2回転。。。むむむ。。。う〜ん。。。レンチを回している手に特に引っかかるような感触はありません。ゆ〜っくり回す手に、ある程度の重さを感じるだけです。ピストンが静かに上下運動を繰り返します。。。ここでようやく『ピストン運動キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!』っと心の中で叫びました^^
しばし観察した後(笑)、シリンダーに埃が入らないようにウエス等をブロックの上に被せておきます。 |
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テンショナーを装着する部分のスタッドと、テンショナースプリングを引っ掛けるための小さいスタッドを取り外します。結構キレイな状態ですので、まだ使えるかな?なんて思っていましたが、念のために新品に交換する事にしました。 |
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スタッドボルトリムーバーを使用してスタッドボルトを取り外します。レンチをかけて回すと、スタッドボルトを咥えこんでくれるという便利なツールです。が、1度回しただけでは緩まず、2回目でようやく回ってくれました。新品のスタッドボルトを取り付ける際は、ナットを2つ掛けて締めこむ『ダブルナット』という方法で締めこみます。ブロックに挿入するほうのねじ山にはロックタイト(ねじロック剤)を少々塗りました。このへんは整備要領書にも載ってませんので『手トルク』でしっかり締めましょう(爆)あと、テンショナースプリングを引っ掛ける方の小さいスタッドボルトですが、こちらはスタッドボルト自体のねじ山の長さが左右で違いますので、ねじ山が短いほうを『ブロック側にねじ込みます。』 |
使った工具 |
ダイヤルゲージ、プライバー、トルクレンチ、ソケット各種、プラハン、ゴムハン、ピストンリングコンプレッサー、スタッドボルトリムーバー、メガネレンチ、角度レンチ |
作業後の注意 |
ブロックに埃が入らないようにして保管する事 |