FAST(日産部品検索システム)について

■ 概要
FASTとは車輌の各部品を検索し抽出出来るオンラインシステムの事であり、店舗・部販社等、日産販売組織内で使用されているものである。しかしながら、そのソフトウェアは単体のウィンドウズパソコン上でも動作する様になっており、個人経営の自動車修理工場の他、近年はヤフーオークションなどでも出回っている為、個人が趣味の範囲での部品検索(構造の確認など)や、DIY派は個別の部品発注などに利用している。毎月最新号が発行されているようだが、古いものだからといってオークションに出品する事が著作権法に触れないと言う事ではないと思える(未確認)。写真は知り合いの自動車修理工場で利用していたものをお借りしたものだが、今回このFASTについて個人が自宅で私的に利用する事を前提に研究してみたい。DIY派に限らず、年々古くそして部品供給に不安を抱えるBNR32ユーザーにとっては、現在の部品価格、車体の構造の研究など利用方法を知るだけでも価値があるものと考える。なお、FASTシステムは単体でもインストール出来るが、元DVDメディアが無いと作動しない点は注意が必要である。
写真は実物メディアをお借りして撮影し画像を加工(縁取り等)したものを、検証の為引用させて頂きました。



■ インストール


メディアをセットしても自動でのインストールプログラムになっていない(はずな)ので、ドライブを右クリックしエクスプローラーで中身を開く。中には沢山のフォルダ群があると思うが、その中でFASTPRGというフォルダを開く。FASTPRGとは恐らくFASTPROGRAMの事であろう。FASTPRGフォルダの中には幾つかのフォルダがあると思うが、ウィンドウズが近年のバージョンであればWIN2000フォルダを開く。その中にSETUPというフォルダがあるはずなのでそれを開いて中にあるSETUP.EXEをクリックするとインストールが始まる。あとは画面のインストーラーの指示に従っていけば問題ない。以上がインストール方法である。

ここで気をつけておきたいのは、FASTプログラムは動作にメディアを必要とする(データを読みに行く)事である。利用する際(あくまで利用する事が出来る立場にある場合)毎回メディアの出し入れが面倒と思われるなら、仮想DVDソフトなどを利用し、そこからインストールするのが得策である。インストール直後はインストールしたドライブを読みに行く設定になっているので、起動ドライブをあとから変えたい場合は設定の変更をすることも出来る。

■ FASTの起動と初期設定


ウィンドウズスタートメニューにNissan Menuというショートカットが追加されているはずなので(メディアを忘れずにセットした後)、そこからFASTを起動する。起動するとまずはメニューダイアログボックスが現れるのでそこで初期設定をしておこう。最右列にあるFAST環境設定がそれだ。(以下、画像は形状を模したものをイラストレーターで作成)

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環境設定ダイアログボックスが現れたら、最低限やっておくべき事は各フォルダ設定の中で「保存機能を使用する」にチェックを入れる事。デフォルトではなっていない為、気が付かずに色々部品を拾い上げて「一時保存しておこう」とした時に、保存出来ない事に気がついて落胆する事になる。その他の設定(例えばフォントなど)は自身で判る範囲でお好みに設定して構わない。インストール時に出てきたメディアの場所はここで変更する事が出来る。




■ 部品検索の実際


さて、それでは実際の作業を例に交えながら基本使用方法を説明していこう。しかしながら現在もこのFASTについては研究中である為、説明や利用方法が回りくどい・間違っているなどはご容赦頂くと共に、ぜひ正しい方法をこちらに加筆・修正頂きたい。

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まずは先ほどのメニューから左上のFAST検索をクリック。部品検索に関してはほぼここしか使わないと思って良いだろう。その他のメニューとしてPITWORK製品などの検索も出来る様だ。また終了方法は右下の終了によりメニューそのものを終わらせる事が出来る。






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実際の作業場である検索画面が出てきたら、シャシーNO.の所(画像の赤丸部分)に車体番号を入れてエンターキー(キーボードの)を押す。左側はBNR32、その右に自身の(もしくは検索したい個体の)個体番号を入れる事。
すると自動で車体色や登録年月が入るのが確認出来る筈だ。自身所有の車輌についてはこの状態で準備が整ったと言える。他人の車輌で車体番号が判るものや、他車種についても車体番号が判るものについてはこれが一番手っ取り早い方法である。




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また、収録車種一覧から選択したい場合は収録車種一覧ボタンをクリックする。この機能は日産車を検索する場合において、BNR32-xxxxxx(xはアラビア数字)と言ったシャシーNo.が不明な車のパーツ検索に有効である。







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収録車種一覧では161車種(2006年10月号現在)から選択することができる。
検索希望車種のカラムをクリックまたはNOを右下の空白のところに入力しOKボタンをクリックすると希望車種の検索が可能となる。また、別車種を収録車種一覧から検索し直す場合は一度クリアー(CLRボタン)する必要がある。
余談ではあるが、収録車種一覧では一見車種がランダムに並んでいるように思えるがよく見ると乗用車(セダン、クーペ含む)系→ファミリーカー系→コンパクトカー系→ワンボックス系→ワゴン系→新型車の順のように思われる。また、その中でもベース車の高価な順であるように思われる。
(画像では例としてR32スカイライン(89年05月〜94年11月)だけ表示してある)









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ここまできて部品検索準備が整った。では、実際に検索方法について研究して行きたいと思う。検索方法は様々であるが一番手っ取り早い検索方法はズバリ絵を見ながら検索することである。図中に示した絵目次選択ボタンを押して次に進むとしよう。ちなみにこの絵目次選択ボタンは○△□×で表されており、押すとPSが機動するか?と思ってしまうことはない。







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さて、絵目次選択ボタンを押すと図のようなポップアップが出現する。ここでは絵目次グループとして上から、@エンジン、フューエルAボディ、トリムBシャシー、パワートレイン、ブレーキCエレクトリカルの4グループに分かれており希望の部品が属するであろう項目にチェック(複数選択可)しOKボタンを押す。または一覧ボタンからピンポイントに絵を選択することができるが上級者向けのためここでは割愛したい。










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仮に一番上のエンジン、フューエルを選択してOKボタンを押してみよう。すると図の様な画面にポップアップが切り替わる。この画面では選択した絵目次グループ(ここではエンジン、フューエル)に属する部品や構成図を選択することができる。この画面に切り替わったときは左上の絵が青く縁取られている。この青い状態では絵は選択されておらず左クリックで選択状態(赤)に変えることができる。また選択を解除したいときには右クリックで青に戻すことが出来る。さらに複数選択したいときには続けて左クリックで選択可能である。(このとき最終選択絵以外の選択絵は緑で縁取られている)なお、図の青く縁取られた位置の絵はファン、コンプレッサー&パワーステアリングベルト<エンジン>のところである。図では青くなっており選択されていない状態を示しているが赤く選択した状態にしてからOKボタンを押し次に進みたいと思う。






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図はファン、コンプレッサー&パワーステアリングベルト<エンジン>に関する部品及び構成図を示している。ここでも最初はどこかの部品に相当するナンバーが青く表示されている。(図では画像作成にあたり青いのは表示していません。)










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実際に検索したい部品のナンバーを左ダブルクリックで赤く変えた後(複数選択可)、翻訳ボタンを押す。この翻訳ボタンは本のマークをしており、翻訳と本をかけているいるように思われる。図ではベルト、パワーステアリングオイルポンプという部品を選択した状態であり、ポップアップ下部に選択した部品名称や数量が表示されるので選択した部品や数量が正しいかどうかを確認することが出来る。また、数量はそこで変更することが可能である。また同一ナンバーを何度も左クリックすると余分にクリックした回数だけ部品個数が増えるので注意されたい。







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翻訳ボタンを押すと、図のように選択した部品の詳細が元画面に表示される。ちなみに選択した部品は「部品番号:AY140-40950-」「部品名称:ベルト,パワー ステアリング オイル ポンプ」で、2006年10月現在の価格は2,200円と表示されている(赤枠内)。部販やディーラーで部品を注文する場合、この部品番号さえわかれば簡単に在庫検索や発注が可能となる。ただし部販やディーラーによって発注に関するスタンスが違うことがあるので、その点だけ注意されたい。よくディーラーで部品を発注するときに「車検証を見せて下さい」と言われるのはこのような手順で部品検索するためにシャシーNo.が必要になるためである。




■ 部品番号からの逆引き


個人的には、イラスト図から部品を探し出して発注する事が多いと思いますが、FASTでは部品番号からそれがなんと言う部品なのか逆引きする事が出来ます。我々にはあまり馴染みはありませんが、例えば多くの部品を一度に取った際に、どこの部品かを特定する「手がかりとなる場合もあります」ので、覚えておくと良いでしょう。

方法としては上記「部品検索の実際」部分の一番上の画像で「FAST検索」ボタンではなく二つ下にある「部品マスタ検索」を起動し、部品番号を入力して検索するだけです。一番最初のみFAST内データを端から端までサーチしますので時間が掛かるかもしれません。但し、共通部品となっている多くの「汎用ボルト類」の検索には有効ではないと思われます。

(FASTの画像類は全て形状を模したものをイラストレーター等で一つずつ作成しました。)
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