エンジンルーム解説


ここでは外見上ほぼノーマル状態と言えるエンジンルームを紹介しよう。中古車で購入した場合、本来の状態を知らないまま現在に至る場合も多いと思われるので、自車との違いなども比べて頂きたい。また、下に自分の目線で各部に注目した写真とそれらについての説明書きを記す。これから初めてBNR32を購入しようと考えるユーザー(32保存会非会員)はぜひ各部分について、形状や名称などを理解し頂き、購入時の参考として頂きたい。

■ 概要

■ 詳解
バッテリー付近。新車納車時は34B19Rという型の物が搭載されるが、交換時は40B19Rなどでも構わない。バッテリー奥の白いタンクはラジエター液(LLC)のリザーブタンク。給水の場合は本来こちらから行う。その後にはエンジンルーム内のフューズボックスがある。フューズボックスとサージタンクの中間に位置するのが過給圧ソレノイドバルブ。その下には隠れて見えないがドロッピングレジスターが取り付けられている。
過給圧ソレノイドバルブ。純正のブーストコントローラーと言ったところか。右側のホースに黄色のマーキングがされているが、ここにオリフィスと呼ばれる小さなコマが入っており、その穴の大きさで過給圧量のMAXを設定している。よく言われるオリフィス抜きとは、このコマを抜いてしまうこと。たしかに過給圧の最大値は大きくなるが高性能の社外ブーストコントローラーを取り付けたほうがフィーリング(立ち上がりの早さ)やオーバーシュートが少ない(安定性)などメリットは大きいので、ソレノイドバルブユニットごとの交換をお勧めしたい。隠れて見えないがステー裏側にドロッピングレジスターがある。ドロッピングレジスターは各インジェクターに信号を送り、燃料噴射量を制御するもの。
タワーバーとブレーキマスターシリンダー。写真のものはNISMO製のストラットタワーバー。ブレーキマスターシリンダーの動きを減らす為のストッパーが付いている。マスターシリンダー上部のブレーキフルードのタンクには配線がされており、フルード量が少ないと警告が出るようになっている。タンクのキャップは以前は黒だったが現在は黄色に変更された。タワーバーとフルードタンクの間を縫う様に、アクセルワイヤーが通っている。
フューエルフィルター。文字通り燃料のフィルター。車体最後部に吊り下げられているフューエルタンクから金属配管を通ってエンジンルームに導かれた燃料は、このフィルターを通った後サージタンク下を這うように周り、インジェクタへと送り込まれる。定期的に交換をお勧めしたい。交換は丸ごとの交換となる。
エンジンサイドより。視点を変えて車体右側よりエンジン前部分を臨む。フューエルデリバリーパイプや各インジェクタ、右端にはプレッシャレギュレターが見える。手前はサージタンク。サージタンク付け根の茶色いものはインテーク側純正(紙)ガスケット。冷却液エア抜きのドレンも見える。
角度を変えてサージタンク下。青いものはオイルフィルター。取り付け形状により、幾ら慎重に取り外しても必ずオイルが漏れる事になる。こぼれた先(真下)はオイルパン右に直付のフロントデフのフィンがあるので、綺麗に下に流れ落ちることも無くなかなか厄介。フィルタの上にはフューエルホース(IN/OUT)。右の黄色いものはオイルレベルゲージ取っ手。
更に視線を前方へ移す。ここからだとラジエターファンがよく見える。手前ラジエターアッパーホースは古くなると裂けたりするので早めの交換がお勧め。ちなみにこのアッパーホース内ではエンジン側からラジエターに向かってエンジンを冷やした水が送り込まれ、ラジエター内で冷やされた冷却水は再びロアーホースからエンジン内に入っていく。もちろんその役目を担っているのでウォーターポンプである。
コアサポート付近。写真では見えないが、ラジエタの手前にはヒーターコア、そしてインタークーラーが納められている。右の網のようなものは補助電動ファンの保護網。水温が90℃以上になると作動する。左側銀色の細長いタンク形状のものはエアコンリキッドタンク。
エンジン全面。クランク角センサー。このセンサーはEX側のカムシャフト先端に直結しており、カム角センサーと呼びたくなるが、カムの角度から拾ってクランク角を割り出している。車載状態でも3本のボルトを緩めることで点火タイミングを変更する事が出来る。ミツビシ製とヒタチ製が存在。
排気側に移ってエアフローメーター。名前の通り空気の流れを測定する装置。写真では見えないがこの下側にもう一つある。2個あるのは平均値を取る為かどちらか片方が故障した場合でも正常に動作させる為だと思われる(未確認)。筒の中に配した熱線に電気を通して一定の温度に暖める。熱線は空気が通る事で冷やされるので、それを一定の温度にする為により電気を必要とするので、そこから信号を拾って空気量を判定するホットワイヤー式。
更に左側(助手席側)に周って、TWINTURBOというエアチューブの隙間からはタービン周りへの配管(LLC)が垣間見れる。この下に2機のタービンが格納されているが、上からでは殆ど確認する事が出来ない。タービン交換は元より、カムカバーを外すのさえこのTWINTURBOのエアホースを分解しなければならない。整備性の悪さが伺える。
一番奥にはABSユニット。N1ベース車輌やNISMO仕様はここが空いている。ユニットだけの撤去も出来るので軽量化の為に外された車輌もある。
エンジン一番後ろにはパワトラユニット。熱によるものか比較的ここが原因の不調が見受けられる。交換はアッセンなので簡単。問題はここが原因かどうか見極めるまでの手間。手前Uの字のゴムホースは左右のカムカバーを繋ぐブローバイホース。
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